質問:ELSAのIPA(国際音声記号)表記が、よく使っているオンライン辞書と少し違います。ELSAは本当にIPAを真剣に取り扱っているのですか?
A:ELSAはIPAを真剣に取り扱っています。ただし、辞書やオンラインの情報源によっては、編集方針の違いにより、同じ単語でも少し異なる表記が使われることがあります。
私たちは、主要な参考辞書の基準に沿いながらも、ユーザーの皆さまにとってできるだけわかりやすい形で発音記号を提供するように努めています。
以下に、辞書間で表記の違いが生じやすい主な5つのポイントをご紹介します。
1. 予測可能な母音の長さ
英語では、母音の長さ(発音の持続時間)はある程度予測可能です。たとえば、/i/ は常に長く、/ɪ/ は常に短く発音されます。
そのため、一部の辞書では母音の長さを表記していません。長さを表す場合は、記号 /ː/ を使って表記されます。
ELSAでは、シンプルさを重視し、母音の長さを表記していません。
2. 予測可能な異音(バリエーション)
特定の文脈では、シュワ音(/ə/)が省略されることがあります。ある辞書ではシュワ音を含めた表記を使用しますが、他の辞書では省略された形を採用している場合もあります。
ELSAではシュワ音を含めた表記を使用していますが、実際の発音では両方のバリエーションを許容しています。
3. 詳細な音声表記
Wiktionaryのような一部の電子辞書では、よく見慣れたIPA記号に小さな追加記号が付いていることがあります。
これらは、発音の微細な違いを示すために言語学者や言語聴覚士などの専門家により使われるものです。
一般的な辞書ではこのような詳細な記号は使用されておらず、ELSAでも同様に使用していません。
4. /r/ の場合
英語の「r」の音を正確に表すIPA記号は /ɹ/ です。
一部のオンラインソースではこの記号が使われていますが、ほとんどの辞書では簡便さのために通常の「r」 を使用しています。
ELSAも同様に、簡単に理解できるよう「r」を使用しています。
5. アメリカ英語以外の記号について
ご利用の辞書などで「r」の発音に シュワ音(/ə/) が使われている場合、それはイギリス英語の発音表記である可能性が高いです。
また、「hot」などの単語で /ɒ/ の記号が使われている場合も、同様にイギリス英語を基準にしています。
現時点では、ELSAはアメリカ英語の発音に基づく記号のみをサポートしており、これらの非米語発音記号には対応しておりません。